橋のある風景を日本PCTは描き続けます。

PCT工法とは?

深い谷間等下から支えられぬ場所にて採用される、橋梁架設新工法。
従来は、両岸に鉄塔を建て、大きなワイヤー(主索)を張り渡して、この主索に橋の部材を吊り下げ順次組立てていく方法である。
しかし、この工法では、架設期間中部材が宙吊りであるため揺れが大きくて作業が困雖であり、台風対策にも苦しむ。

この欠点を補なうために、PCT工法が開発された。

PCTを構成する方法は、従来工法の主索の他に下索を設け、主索と下索を吊索で結び一休となし、その後吊索の長さを調整すれば、主索と下索が張り合った状態で安定する。
この安定した状態を【Pretensiond Cable Trass】と命名し、PCTと略す。
PCTは張力のため、形状が安定しているので、架設作業が容易であり、台風の影響も軽く開発の目的を達成した。
さらに、構成材料の一部品に至るまで欠陥があれば、これを取り替えねば絶対に構成できない。従って、構成後に行われる、架設作業は安全となる。
また、架設される橋材重量の影響は、架設と同時に下索の張力が減少して、主索の張力は余り増加しない。
この現象を利用するPCT工法は特許となり、新工法が成立することを証明した理論が評価され、宮崎県文化官等を受賞した。
以上の特性に加え、簡便で経済的な面からPCT吊橋としても利用されている。
実施例は、北方町の城橋等で、吊橋は高千穂峡の音の谷橋等がある。

発明者:大神 龍馬

(日本ピー・シー・テー建設株式会社)
高千穂峡 : 音の谷吊橋
従来の工法

在来ケープルエレクションエ法は、図に示すように主索に吊索を吊り下げただけの、いわゆる宙吊り工法。
そのため、以下のような欠点を持つ。

  1. 組み立て作業か困難である。
  2. 台風対策に苦慮する。
  3. 最大有里に対する安全点検が?jえないため用心して仮設物の安全率を遇大にとるようになる、従って経済的負担が大となる。
  4. 以上の他に、作業員の心理的負担が大きい。
PCT工法

在来工法の主索の他に下索を設け、上下索間を延長した吊索で結ぶ。
この吊索には中間に張力計を挿入しておき、吊索の長さを調整する作業により上下索を緊張する。
その度合いは、吊索一本にかかる桁の重さと等しく張力計で計測する。
この緊張作業により、上索・吊索・アンカー等の安全点検が行われる。
このため、使用する仮設機材に必要以上の安全率を求めない。従って経済的である。
その後、上下流の対応する吊索間に受梁を渡し、この受梁に橋桁部材を乗せて組み立て作業を行えぱ受梁が安定しているので、地上での作業と変りない安定作業となる。
また、台風に対する安定性も確保される。
以上のことから、作業員の心理的負担が軽減されるなど、従来工法の欠陥の総てを解消した。

(宮崎日日新聞社刊・宮崎県大百科事典より)

PCT工法に関する受賞記録

アーチ橋/PCT足場とは?

アーチ橋を架設する場合、アーチ部分を組み立てる前にそのアーチ線形に合わせて組み立てる足場のことをいいます。

通常アーチ橋を架設する地点は、海上や峻険な渓谷上であり、これまでは事前に足場を組み立てることは、物理的にも経済的にも不可能とされていました。
これをPCT足場が解決しました。

PCT足場を利用すれば、普通の作業員や管理技術者が、高所を意識せず橋梁特殊工(鳶職)なみに高い作業箇所に行くことができます。
したがって橋梁特殊工は、普通作業員が雑作業を分担するので、本来の作業に専念できるため能率が向上します。

また、管理技術者の指示が適時、適確に伝わるので、作業手順の誤りを防ぎ、二度手間やムダをなくし、さらに作業員の安全と製品の精度を確保できます。

なお、PCT足場があれば誰が見ても作業員が墜落するとは考えられないので「たとえ息子が高所で作業していても、親はのんびり見物していられる」これがPCT足場を利用する真価と考えられます。

PCT足場

PCT足場/施工手順

PCT足場施工手順

阿蘇大橋に観るPCT足場

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